仕事を辞めたくなる理由は、ストレスによるものが多いですが、給与が低いことが理由になるケースも多いです。
しかしその一方で、私が勤める会社には、20代なのに年収400万以上、ボーナスは給与3か月分という人もいます。
私はかつて、給与の高さは自分の実力で決まるものであり、能力さえあれば高給取りになれると思っていました。
それほど成果を出していなく、能力があるように見えないのにも関わらず、600万近くの年収の人もいます。
給与の高さは、本人の能力によっても変わりますが、それと同じくらいか、むしろそれ以上に環境で決まります。
この事実を知り、高い給与が狙える業界・職種を狙って転職しないと、いつまでもあなたの給与は高くなりません。
そこで今回は、「給与が安い」という理由で転職したい人に向けて、給与を上げる転職を実現させる方法をまとめました。
転職して給与を上げたい人や、「自分にはこのくらいしか稼げないんだ・・」と諦めている人にとって役立つ情報になっていると思います。
目次
あなたの年収は平均より高い?低い?
身近な他人の年収が気になる人は多いと思いますが、社会全体平均の年収を気にしたことはあるでしょうか?
厚生労働省では、年収について年代別や業種別・企業規模別の年収データを集計しており、誰でも気軽に見ることが可能です。
このデータを見ると、色々なことがわかります。
業界によって平均年収が違う
こちらの表では、業界別の平均年収をまとめています。
(出典:「厚生労働省大臣官房統計情報部」)
この中で一番高い金融・保険業(470.4万)と、低い宿泊・飲食サービス業(275.1万)では、195.3万の差が開いています。
大雑把に言うと、どの業界に就職するのかによって、もらえるお金に差が出るということです。
企業の規模によって平均年収は違う
経験してみるとわかるのですが、大企業と中小企業では、雰囲気や福利厚生、給与における手当の充実度が違います。
また、こちらの資料では、企業規模によって、年収は大きく変わっていることがわかります。
(出典:「厚生労働省大臣官房統計情報部」)
大企業の平均と、小企業の平均では、約100万円の差が出ています。
そのため、平均年収が高い業界の大企業に就職できれば、年収アップが実現しやすいという話になります。
年収アップを狙うための戦略的な考え方

このように、業界や企業規模によって年収が変わることがわかりますが、これ以外にも正社員か契約社員か、どういう職種かなどの要因も絡むので、実際はもっと複雑です。
しかし、まず知っておいて欲しいのは、年収が決まる要素のなかには、業界や企業規模などの環境が大きな要因になっているということです。
年収を決める要素に、業界や企業規模が関わっていることがわかれば、転職で年収を上げたいと思ったときに、より幅広い視点で考えることが可能になります。
具体的には、以下の視点で検討する余地があると思います。
自分の業界の平均年収の高さ
あなたの年収が低い理由が、業界にあるかどうかを考えましょう。
平均年収が低い、飲食・サービス業に勤めている場合は、業界を変えるだけで比較的簡単に年収を上げる可能性があります。
しかし、もともと平均年収が高い業界にいる場合は、他の業界に移ろうとしても年収アップの実現は難しいかもしれません。
今の企業規模のレベル
また、あなたの年収が低い理由が、企業規模にあるかどうかも分析できます。
従業員が十数人の零細企業であれば、大企業への転職が実現することで大幅な年収アップも期待できます。
しかし、すでに大企業に勤めている場合は、企業規模ではなく業界を変えないと年収アップが見込めないかも知れません。
なお、大企業や平均年収が高い業界に勤めているものの、給与が安いと感じる場合は、職種を変えるという選択肢もあります。
こちらのサイトでは、職種別年収のランキングが載っています。
上位の職種は簡単になれるものではないので、現実的ではない部分もありますが、あなたの職種の年収の高さがどの程度なのかの目安にはなると思います。
年収アップを狙うための転職の戦略
このような視点で考えることで、年収を上げるためにどういう転職活動をするべきかが見えてきます。
給与水準の高い業界に転職する
職種の中には、営業職や事務職など、多くの業界に共通して存在する職種もあります。
あなたがそういう職種についている場合は、今の職種のまま、平均年収の高い業界に移るという戦略が採れます。
業界が変わると、基礎知識や暗黙の了解的な知識を理解する必要がありますが、仕事内容は大きく変わらないので、職種をそのものを変える場合に比べると苦労は少なめです。
違う業界に転職する場合は、その業界でどういう人材が好まれるのかや、どういう文化であるのかが自分ではわからないので、できるだけその業界に詳しい人からアドバイスをもらいたいところです。
大企業への転職を狙う
企業の規模が大きいほど、売上規模や資金が豊富で、その分従業員への給与も高くなる傾向にあります。
今の職種や業界のままでも、従業員が100人に満たない企業から、1000人クラスの大企業に転職することができれば、それだけで年収アップを実現できる可能性があります。
とはいえ、大企業は人気もあるため、中小企業と比べると転職のハードルは高いです。
転職慣れしていない人は、書類や面接を通じてうまく自己PRするためのコツやポイントを身に着けたいところです。
職種を変える
あなたがそもそも年収の低い職種の場合は、企業規模や業界を変える戦略を採っても、年収アップが難しいかもしれません。
こちらのサイト(給料が安いと感じる?職業・業種による違いや収入を上げる方法を解説)で紹介されている職種は、他に比べて年収が低く、職種そのものを変えないと年収アップが実現できないかもしれません。
20代ならば、未経験の職種への転職は比較的難しくありません。
希望する職種の情報を集め、うまくアピールすることで、年収が高い職種への転職は十分可能です。
こちらの記事では、20代での転職で成功するコツや注意したい点などをまとめています。
新卒で転職したい人が、今度こそ後悔しないために必須な3つのポイントとは。

もし30代以上の場合は、未経験の職種への転職はハードルが上がります。
その場合は、まず今の会社で違う職種に変更したり、自分で資格を取得するなどの戦略が考えられます。
未経験の職種に転職する方法は、こちらの記事で詳しく載せているので、勢いで辞めてしまい後悔する前に、色々な方法を検討してください。
30代で仕事辞めたいあなた、転職は20代より難しいけどチャンスもあり!

転職が不安な場合は転職エージェントに頼ろう

このように、年収を上げるための転職を考えるならば、業界・企業規模・職種のどれかを変える必要が出てくることが多いです。
しかし、未経験の要素がある転職は、自分が詳しくないため、不安に感じる部分も多いと思います。
そういう場合は、転職エージェントを利用すると成功率が高まります。
転職エージェントは、担当のエージェントが1対1であなたに求人を紹介してくれます。
その求人に対する質問ができるため、その企業がどんな人物を求めているかや、その業界・職種の傾向や特色を教えてくれるこが多いです。
そのため、自分だけで求人誌や転職サイトなどを見るよりも、はるかに多くの情報を得ることができます。
業界や職種を変える転職の場合は、あなたのこれまでの経験ではわからないことが多いはずなので、より多くの情報を得られるエージェントを使うことをおすすめします。
おすすめの転職エージェントの例としては、保有している求人が多く、大手企業である「リクルートエージェント」「dodaエージェントサービス」などがおすすめです。
また、無料で利用できるハローワークや、一つの求人で大量に採用できる転職サイトに比べて、エージェント経由で採用するのは、企業に採ってコストがかかります。
そのような方法で求人を募集している企業は資金に余裕があり、給与も高いことが多いです。
そういう意味でも、年収アップのためにエージェントを利用するのはおすすめです。
転職エージェントの活用方法やおすすめの業者については、こちらの記事で詳しくまとめています。
転職エージェントってどんな感じ?【利用手順・オススメ・メリット・注意点・活用法まとめ】

転職だけが年収を上げる方法ではない
給与を上げるための方法として、転職するときの戦略を紹介してきましたが、年収を上げるには転職だけがすべてではなく、今の会社で給与を上げる方法もあります。
オーソドックスな方法から、裏道的な方法まで、様々な種類があります。
昇進・出世する
一番ベタな方法ですが、社内で出世を狙うという方法です。
だいたいの場合は、昇進によって給与もあがるので、社内で認められて給与アップを狙えることになります。
この方法を考える時は、上司や、長く勤めている人が家庭をもって子どもを育てているか、家やマンションを購入しているかを見てみましょう。
一概には言えませんが、家庭を持ったり、ローンを組んでいる場合は、それ相応の収入を得ており、独身で賃貸生活を続けているならば、出世しても収入が少ない可能性があります。
一方、上司や上役がそれなりの生活を送っており、またその気になれば出世が見込めるのであれば、転職せずに今の会社で頑張り続けるのも一つの選択肢になります。
残業して稼ぐ
これもベタな方法ですが、残業代がしっかり出る会社ならば、残業でお金を稼ぐという方法もあります。
長時間働くのは疲れが溜まりますが、仕事内容に精神的なストレスがない場合は、最も確実で楽に稼ぐ方法かもしれません。
しかし、以前に比べて残業を減らす動きが高まっているので、この方法は長続きできない可能性もあります。
また、自分の時間を犠牲にすることになるので、家族がいる人は、家族との時間が採れなくなってしまうというデメリットもあります。
給与アップの交渉をする
意外な方法かもしれませんが、ストレートに給与アップの相談を上司などにする方法もあります。
「家族がいて養うためにお金が必要」などの、共感されやすい理由があるならば、思い切って相談することで、給与アップが実現することもあります。
しかし、それに伴い責任が重くなったり、会社からの期待値が高まるというデメリットもあります。
なお、給与基準が社長のさじ加減で決まっているような、小さい規模の会社のほうが成功率は高いです。
資格手当を狙う
福利厚生がしっかりしている企業だと、各種資格を取得することで、資格手当を得ることができます。
月額にして5,000円~1万円くらいが限度なので、上がり幅としてはそれほど多くはありませんが、資格を取得することで、転職時に有利になるという副次効果が期待できるのがメリットです。
副業で稼ぐ
最近は副業がOKな会社も増えてきており、今後もますます増えてくると思います。
副業のバリエーションも増えてきており、アフィリエイトや動画編集、文章を書くライターなど色々なものがあります。
あなたの得意分野や、これまで培ってきた技術を活かしてお金を稼ぐことも可能なのも魅力です。
副業というワードで検索すると、たくさんの選択肢が出てくるので、そこから探してみるといいでしょう。
ただし、副業をすると、自分の時間がかなり少なくなるところがデメリットでもあります。
給与が高いことはそれなりのリスクがある
年収を上げる方法には色々なものがあり、ここで紹介したような手段をとることで、それを実現することも可能です。
しかし、高い年収にはそれなりのリスクがあることが多いです。
また、管理職に昇進すると、給与も上がることが多いですが、その分上司と部下の板挟みになるストレスも生まれます。
そのため、未経験の職種に転職をする場合は、そういうリスクがあることを踏まえ、残業時間がどれくらいか、離職率が高いかどうかを調べたいところです。
色々な情報を知り戦略を練れば給与アップは夢じゃない
給料の高低は、企業規模・業界・職種などの環境で変わることを意識すれば、「今の仕事をとにかく頑張ろう」と考えてしまったり、「どうせ自分には給与アップは無理だ」と諦めてしまうこともなくなります。
自分が給与が低い環境にいるならば、そこから抜け出すことで、給与アップを狙えるでしょう。
しかし、勢いで転職してしまうのはおすすめできません。
未経験の業界や職種に挑戦するような、難易度が高めの転職を狙うときほど、在職しながらじっくり転職活動することが大切です。
次を決めないまま勢いで辞めてしまうと、なかなか決まらなかった時に妥協して転職し、後悔してしまう危険があります。
こちらの記事では、失敗しない転職を実現するためのコツや、やるべきことについてまとめています。
転職したいけど、不安要素があって自信がない人は参考にしてください。
転職に失敗したくない人は、私が見事に失敗した話をぜひ聞いてください。
