転職を考えるとき、自分の経験が活きる仕事を探すのが普通だと思います。
しかし、転職しても同じ仕事の場合、結局給料が変わらなかったり、仕事にやりがいを感じられないなど、あなたが抱える問題が解決しない場合もあります。
そういう場合は、職種や業界ががらっと変われば、あなたが抱えている不満が一気に解決することも十分ありえます。
そんなチャンスのある違う仕事への転職は、簡単ではありませんが、きちんと対策をすれば、十分に可能です。
そこでこの記事では、私自身の経験も踏まえて、今とは違う仕事へ転職をする場合のポイントを紹介します。
面接でうまくアピールする方法や、遠回りだけど戦略的な方法などをまとめています。
「違う仕事に挑戦したいけど、転職に自信がない・・」という人は、未経験の仕事に就くためのイメージが湧くと思います。
目次
まず整理したい「今までとは違う仕事」の3パターン
まず、ひとくちに「今とは違う仕事に転職する」と言っても、それには大きく分けて3つのパターンがあります。
①違う業界で、同じ職種に転職
不動産の営業職から保険の営業職、製造業の経理職から飲食業界の経理職など、職種は同じものの業界が変わるパターンです。
業界ごとに専門用語や文化が違うので、新しく覚えることも多いですが、今の仕事の経験が活かせるので、そこまで難しくはありません。
②同じ業界で、違う職種に転職
同じ業界内で、営業職から事務職、販売職から技術職など、違う仕事内容に変わるパターンです。
同じ業界なので、基本的な知識などはそのまま活かせますが、肝心の仕事内容の経験がないので、転職の難易度は高めです。
③違う業界で、違う職種に転職
言葉の通り、業界も職種も違う仕事に転職するパターンです。
この場合、馴染みのない環境で、未経験の仕事に当たることになるため、転職できる難易度は当然高くなります。
経験よりもポテンシャルを見てくれることが多い20代であれば、このパターンも不可能ではありませんが、一番難易度が高いケースであるのは間違いありません。
年代によって難易度が変わることも知っておこう

また、合わせて知っておきたいのは、年代によって未経験の職種・業界への転職の難易度は大きく変わるということです。
20代であれば、これまでの経験よりも、その人の素質を見て判断する傾向にあるため、未経験でも転職できることが多いです。
しかし、30代以上になると、これまでの経験を活かした即戦力を求める事が多いため、未経験の職種への転職はかなり苦しくなります。
30代以上で未経験の職種に挑戦したい場合は、勢いだけで転職活動をするのではなく、戦略や工夫が必要になると思ってください。
一方、異業界であっても同じ職種であれば、それまでの経験を評価されることも多いため、30代以上でも転職は十分に可能です。
- 今までの仕事を通じて、どのような能力を身に着けたのか
- それを応募先でどのように活かすことができるのか
の2点をアピールできるように整理しておくことが大切です。
未経験への転職を成功させる5つのポイント
このような傾向がある違う仕事への転職ですが、ではそれを成功させるためには、具体的にはどんなことが大切なのでしょうか。
色々なアプローチ方法がありますが、ここでは5つの方法を紹介します。
社風とのマッチ具合をアピールする
これは特に20代の転職で有効な方法で、応募先の企業の文化と、自分の性格が合うことをアピールするというものです。
求人情報に載っている文章や、会社のHPなどの資料から、その企業が求める人物像がどんな人なのかを分析してみましょう。
それらの資料には、
- 自分で考えて行動する人
- 何事に対しても情熱的な人
- 顧客第一主義で行動できる人
- 幅広い世代とコミュニケーションを図れる人
- 問題解決能力が高い人
などなど、求める人物像を明確に打ち出している企業もあります。
応募先企業にそういう情報がある場合は、自身にそういう一面がないか考えてみましょう。
「御社で求める人材に○○な人、という記載がありましたが、私にもそういう一面があるので、御社と相性がいいと思います。」などのようにアピールしましょう。
ちなみに、その人物像とあなた自身のキャラクターがあまりにも合わない場合は、応募しない方がいいです。
「社風が合わない」というのは退職理由として挙げられる要因の一つで、特に体育会系の激しいノリについていけない場合は、心身を病んでしまう危険もあります。
転職エージェントに相談する
「違う仕事をしたい」と思うものの、具体的に何の仕事をしたいかがはっきりしていない場合は、転職エージェントに自分の経歴を伝え、自分が活躍できそうな求人がないか相談してみる方法もあります。
仕事の能力には、その職種の経験だけではなく、「管理職の経験」「コミュニケーション能力」「物事を計画的に進める能力」「プレゼンテーション能力」など、職種を超えて活用できる能力があります。
優秀なエージェントは、あなたの経歴からポータブルスキルを見抜き、それを生かせる求人を紹介してくれます。
未経験への難易度が高くない30代以上でも、このようなポータブルスキルをうまくアピールして、未経験の職種に転職するケースも見受けられます。
このように、転職エージェントを利用すると、自分ひとりで転職活動をするよりも色々な面で可能性が広がります。
企業への連絡を代行してくれたり、他では掲載されていない求人を紹介してもらえるなど、他にもメリットがあるため、転職活動を成功させたい人は、やはりエージェントの利用をおすすめします。
どんな人にもオススメできるのが、大手転職エージェントである「dodaエージェントサービス」です。
担当エージェントが親身だという評判が多く、転職活動に自信がない場合などには特に安心できると思います。
また、20代の場合は、若年層に特化したエージェントサービスの「ハタラクティブ」がオススメです。
ブラック企業につかまりたくない、短期で辞めてしまった・・など、若手社会人の転職の悩みへの対応に力が入っています。
※ハタラクティブは、登録後、確認の電話(0120-979-185)がかかってきます。
なお、詳しい活用方法やおすすめのサービスは、こちらの記事でまとめています。
転職エージェントってどんな感じ?【利用手順・オススメ・メリット・注意点・活用法まとめ】

近い職種に転職して経験を詰む
希望する職種がはっきりしているものの、経験が足りないために転職が難しい場合は、近い仕事に転職して経験を詰んでから、本命の仕事に再転職するという方法があります。
この方法は、希望するキャリアや、あこがれる仕事がはっきりしている場合に有効な方法で、例えば、
- ルート営業の仕事に就きたいものの、経験がないため採用されない場合に、
- 比較的転職しやすい、新規開拓の営業の経験を詰んだのちに挑戦する
というケースが挙げられます。
また、こちらのサイト(転職で職種を変えるには?異職種転職のかなえ方/いきなり異職種が難しい場合は、「二段階転職」を考える)では、webマーケティングの仕事をするために不足しているwebの知識を補うために、web広告の代理店に転職した実例が紹介されています。
このように、自分に足りない経験や、希望する職種に近い仕事を一度経由して、本命の仕事への転職を狙うという方法もあります。
社内異動で希望する職種の経験を詰む
経験を積むために転職をするのではなく、今の会社内で異動をして、希望する職種の経験を詰むという方法もあります。
中小企業や人の動きが激しい会社だと、違う職種への異動も不可能ではありません。
自分から会社に希望を出すことで、すぐには無理にでも、半年後の異動などのタイミングで、希望する部署に異動できるケースもあります。
私の経験上、この方法であれば、30代になってからでも未経験への転職は十分に可能です。
なお、社内異動を実現させるには、上手く会社にアピールすることが大切です。
自分から仕事の希望を伝えていると、お試し的にその仕事を振られることがありますが、その時に上司に評価される仕事ができれば、意欲や実力を認められ、異動が叶いやすくなります。
そのための具体的なコツについては、こちらの記事でまとめています。
今の仕事が嫌いな人へ、転職リスクを負わずに仕事を変えてみませんか?

関わる資格を自力で取得する
エンジニアや経理、施工管理職などは、専門的な資格を持っていることで評価につながるものがあります。
そういう業界や職種では、資格を取っていれば未経験でも採用されやすかったり、優遇されます。
実務経験がないと難易度はあがりますが、簿記など、座学の勉強だけで取得できるものもあるので、それを自力で勉強して取得してしまうのもありです。
なお、希望する職種で優遇される資格があるかどうかは、求人情報に載っており、「●●資格保有者優遇」などの文言で探すことができます。
「未経験大歓迎!」という甘い文言はブラックな香り

以上のようなポイントを実践すれば、未経験の仕事でも転職できる可能性は上がります。
とはいえ、求人のなかには積極的に未経験の中途採用を募集しているものもあり、未経験でも簡単に内定をもらえそうな雰囲気の求人もあります。
とにかく今の仕事に嫌気がさしている場合は、そうした求人に飛びつきたくなりますが、このタイプの仕事は、ブラックな労働環境で離職率が高く、人が定着しないために、未経験を歓迎している企業である可能性があります。
特に、以下の特徴に当てはまる場合は、注意が必要です。
- 転職サイトやハローワークに年中同じ求人を募集している
- 実力主義・短期間で重要なポストに就けることをアピールしている
- 社員の平均年齢が低い(20代・30代社員が多数活躍!というアピールをしている)
などの特徴がある場合は、人が定着しないブラック企業である可能性があり、そういう企業にひっかかると苦労します。
精神的なタフさに自信がある場合で、希望する職種の経験が積める場合は、あえて一年程度我慢するという戦略もあるにはありますが、基本的にはおすすめできません。
ちなみに、ブラック企業かどうかを判別させる方法の一つとして、「内部関係者による口コミ」を見る方法があります。
以下のサイトでは、転職サイトに登録したり、自分で口コミを投稿するなどの条件を満たせば、かなり詳しい口コミを読むことができます。
内部社員からの口コミが圧倒的に多いため、悪い部分の暴露が露骨に書かれていおり、あまりに悪い評判が多い場合は、ブラック企業である可能性が高いです。
仕事内容だけで転職すると思わぬ後悔を生むかも・・
このように、今とは違う仕事をしたい場合の転職のコツやポイントについてまとめてきました。
「次は違う仕事をしたい」と願うのは珍しいことではありませんが、それを実現するのは、同じ職種に転職するよりも難易度は上がります。
とはいえ、20代のうちは十分に可能性があるので、応募先企業の社風との相性をアピールしたり、前向きに転職エージェントに相談してみましょう。
30代以上は、難易度が上がるので、二段階転職や社内異動などの戦略的な動きが必要になってきます。
また、未経験の仕事に挑戦するうえで大切なことは、転職後に想定していなかった大変さに気づいてしまうことです。
意外と休みがとれなかったり、ストレスが溜まる仕事だったりなど、思わぬ落とし穴にはまってしまうリスクも考える必要があります。
そのような後悔をしないためには、仕事内容以外の休日や給与、勤務地などの条件やその優先順位を詰めておくことが大切です。
幅広い視点で転職の希望条件を考えておくことで、転職後の後悔を少なくすることができます。
そのための具体的な方法については、こちらの記事でまとめているので、参考にしてください。
転職に失敗したくない人は、私が見事に失敗した話をぜひ聞いてください。
